ギリシャ、バリに魅せられて

ギリシャとバリの旅行記。音楽の話題も少し。

ワインのコストパフォーマンスを思う

 ビールも日本酒も好きだが、ワインにも長い間慣れ親しんでいる。若い頃は会社の同僚とワインパーティと称して、10本ほどのワインを開けて(ひとり1本以上の換算)、うんちくを語りながら、でも最後の方は味の記憶があいまいになるような楽しみ方をしてきたものだ。今は千円程度のテーブルワインが中心で(箱ワイン含む)、マーに半分ほど飲まれるのを良しとして、ゆったりと味わっている。

 国内旅行の「1万円の宿」でも、ギリシャやバリのホテルでもそうだが、我々が重視するのはコストパフォーマンス。これはほとんど人が同じ感覚だと思うけれども、払ったお金に見合うだけの価値を見いだせるかどうかは、気分的な意味からもとても重要なことだ。ちなみに、cost performanceは和製英語で、正しくはcost effectivenessとか、value for moneyというらしい。

 さて、ワインのコストパフォーマンスだが、そもそもワインのコストにそれほど差があるのかという疑問がある。5万円以上するボルドーの特級ワインと千円のチリワインを比べた時、もちろんボルドーではぶどうの選別とか設備、発酵熟成期間とかで金も手間もかかっているはずだが、かといって製造コストに50倍の差があるかと言えばそんなことはないはずだ。30年前くらいには特級ワインでも1万円程度で買えたはずで、それは内容に見合った妥当な値段だったと思う。今や高級ワインの多くは投機対象も含めて、希少価値(プレミアム)がゆえの値段になってしまった。


 芸能人の格付け番組で、100万円のワインと5千円のワインを見分けられるかという企画はテレビ的には面白いけれども、本当にワインのvalue for moneyを見るのなら(あるいは芸能人の味覚をチェックするなら)、1万円のシャトーワインと2千円のチリワインを比べてほしいなあとか思ってしまう。そして、もし1万円のワインの方がはっきりと美味しいとしても、2千円のワインを5回飲めることに対してそれだけの価値があるかどうかが知りたいところ。

 そんな(貧乏性ゆえの)割り切り方なので、我が家で高級ワインを飲む機会はかなり減ったが、ただ高級ワインには信じられないほど素晴らしい香りと味わいが楽しめる場合があるのもまた事実だ。ボルドーの5大シャトーもひととおり味わったことがあるけれども、僕がこれまでに飲んだワインで圧倒的な印象を感じたのは次の2本。 

・シャトー・ピションラランド1982年

ボルドーの有名2級シャトーで、パーカーが99点を付けたビンテージ。彼のコメントには「誰かを驚かせたかったらこのワインを」とあったが、まさに驚きだった。グラスにいつまでも顔をうずめていたくなるような素晴らしい香り、力強さとうまさを兼ね備えた味わい、そして長く続く余韻。このワインを買って飲んだのは15年ほど前で、6万円という値段だったが(今ならその倍以上?)、この経験は何物にも代えがたいものだった。 

・ルノワ・シャンポールミュズニー1986年

ルノワはブルゴーニュの超高級ワインを出しているところだが、このワインも15年ほど前に1万円で購入した。クラクラっとするような複雑な香り、一口飲んでため息が漏れるような味わい、これもまた衝撃的な経験だった。

 たまにはこうした異次元の魅力を味わいたいと思うけれども、それはやはりある程度の投資をしないと無理な話だ。国内の「1万円の宿」、ギリシャなら「60ユーロの宿」、バリなら「90ドルの宿」を好む我々にとっては、「1500円のワイン」がそれに相当する感じだろうか。日常飲む千円のワインと比べてはっきりと違いがわかり、その価値が実感できるワインを見つけるのが楽しみになっている。

 フランス人女性から聞いた話で、シャンパンのおいしさは値段にかなり比例するけれど、ワインは決してそうではないとのこと。ワインの値段は様々な要素がからみあって決まる上に、個人の好みも様々なので、安くておいしいワインに巡りあえる確率も多々あるはず、だからおもしろい。

 「1万円の宿」と「1500円のワイン」は、我々にとってちょうどConsistentな関係にあるような気がする。しかし、唯一違うのは、宿の方はこれで十分だけれど、ワインの方はたまにはもう少し上のものを飲みたいというところだろうか。(マー)

 



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テーマ:ワイン - ジャンル:グルメ

  1. 2015/02/17(火) 13:05:03|
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伊東への一泊旅行(ビーチコミューン・シンプルース)

 2月最初の火曜日、伊豆は伊東への一泊旅行を楽しんできた。最近我々がこだわっている「約1万円で宿泊できる宿」の、今年2回目となる。今回選んだのはビーチコミューン・シンプルースという長い名前のところで、きっかけはテレビ東京の「厳選いい宿」だ。といっても、ここの紹介番組を見たわけではなく、番組HPをチェックしていて気に入ったというのが選んだ理由。宿のHP(こちら)にも「厳選いい宿」限定プランがあるので、予約はこちらから入れた。

 冬の快晴の日、少し遅めに横浜を出発し、途中で真鶴岬に立ち寄った。伊豆の玄関口になるところだが、実際に行ってみたのはこれが初めて。平日なので岬近くの駐車場は空いており、ここから海岸沿いの遊歩道を少し散策してみた。絶景という名所ではないが、天気の良い日なら海辺と松林の両方を楽しめるので、ちょっと立ち寄るにはいいところだと思う。


真鶴岬 遊歩道
真鶴岬、海沿いの遊歩道から名所三ツ石を望む

真鶴岬 ビーチ
隠れ家的なビーチ(ギリシャにもありそう?)

 ビーチコミューン・シンプルースは伊東の高台にあり、全4室という小さな宿だ(ペンションに近い)。狭い道を上がっていくので、クルマで行くのはちょっと大変だ。伊東駅からそれほど遠くないし、送迎もしてくれるので、その方が便利かもしれない。お得な限定プランなので、部屋は一番狭い洋室だったが、窓からは伊東の海と市街が望めるし、ベッドでゆっくりと休むにはこれで十分だと思う。

シンプルース 部屋

我々が泊まった洋室(グスク)、ユニットバス付き

シンプルース 部屋からの眺め

部屋から望む伊東の海と市街

 この宿には展望風呂と露天風呂があり、どちらも貸切で利用できる。4部屋しかないから予約は不要で、空いていたらどうぞというスタイルだ。我々が泊まった日は他に一組いただけだったから、何回かゆったりと入浴を楽しむことができた。わりと塩分が濃い泉質で、わずかながら加温しているとのこと。大きな宿の広い露天風呂もいいが、こうした小さな貸切風呂で温泉気分を味わうのもいいと思う。

展望風呂

窓から海が見渡せる展望風呂

露天風呂 夕方  露天風呂 夜

こちらも見事な眺望の露天風呂(夕方と夜)

朝の露天風呂

朝食前にもう一度入った露天風呂

 ここの夕食は見事だった。魚尽くしの内容だが、いい素材をひと手間、ふた手間かけた料理が幾つも並んだ。最初に食卓に置かれたメニューを見てこれはすごいと唸ったが、どの一皿も期待を裏切ることがない出来栄えだった。

夕食メニュー その1  夕食メニュー その2

達筆で書かれた夕食のメニュー(その1、その2)

地魚のお造り

季節の地魚のお造り(伊東港水揚げ)

温野菜など

左下から珍味(たこわさ)、香の物、黒はんぺんと厚揚げの煮物、奥が温野菜

カキのガーリックソース  アジの塩焼き

カキのガーリックソース、アジの塩焼き

さばのみぞれ煮  いなだのポン酢ソース

さばのみぞれ煮、いなだのポンズソース

金目鯛の煮つけ

金目鯛の煮つけ

ブイヤベース  デザート

ブイヤベース、食後のデザート(アイスクリーム)

 一泊2食9800円でこれだけの内容の料理は驚きだ。普通の飲食店で頼んだら、それで宿泊料金を上回ることになるのではと思う。どの料理も良かったが、新鮮な地魚のお造りがたっぷりと食べられたのは幸せだったし、金目鯛の煮つけはやはり最強の一品。それと、アルコール類の値段が安かったのも(生ビール500円、グラスワイン400円など)、うれしいことだった。

朝食も既製品ではなく、きちんと料理したことがわかる内容。かれいのホイル焼き、漬けビントロ、キャベツのグラタンなどどれも美味で、ご飯をしっかりとお代わりした。

シンプルース 朝食

充実した内容の朝食

 ほとんど魚だけでこれほどバラエティに富んだメニューは他ではなかなか見られないが、どの料理も素晴らしい。洋風の料理を混ぜているところにシェフの工夫がみられ、最後まで飽きることなくいただけた。朝食も、卵料理や干物がないという変わったメニューだけど、なかなか美味。

食事処は海岸と街を見下ろす眺望が素晴らしく、食器類もおしゃれで、とても素敵な雰囲気で食事が楽しめる。どちらかというとカップル向きだ。また、夕食時にはひざ掛けを用意してくれたし、朝食後にコーヒー(紅茶も選択可)がいただけたのもすごくうれしい。(マー)

 シンプルースはオープンして10年目とのことだが、まだ若いご夫婦でやっているこの宿は、食事と風呂に重点を置いている点で、我々の好みとよく合っている。大きなホテルにはもちろんそれなりの良さがあるが、こうした小さな宿で手作りの食事(それも美味しい魚料理!)と貸切風呂を楽しみ、あとは部屋でゆっくりと休むだけという旅行もまたいい。チェックアウトの時にお土産におにぎりをいただくという心遣いもうれしく、素晴らしいコストパフォーマンスに感激した一泊旅行だった。

 これまでの宿とは少し違って、ほとんど食事に価値を集中させたような宿だけれど、料金に対して十分満足だった。いろいろなパターンの宿があるということがわかり、「1万円の宿」探しはますます楽しみになりそうだ。(マー)

 


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テーマ:国内旅行 - ジャンル:旅行

  1. 2015/02/05(木) 17:15:56|
  2. 国内旅行
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Author:たーぼ
ギリシャとバリが大好きな夫婦 夫(たーぼ)と妻(マー)です。
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